山登りの雪や凍結の滑り止めとして手頃な軽アイゼン。しかし、冬山となると軽アイゼンでは滑り止めとしては役不足で、アイゼンが必要になります。ちゃんとしたアイゼンは装着できる登山靴が決まるので、必然的に冬用登山靴とセットで買うとなるとかなり高額な出費となり、冬山デビューを断念している人も多いのではないかと思います。今回、紹介するアイゼンはどんな靴にも装着が可能で、6000円で、しかも480gと軽量。いつもの登山靴で初心者向きの冬山ハイクを楽しんでみたいという方に大変オススメなアイテムの紹介です。
6本爪の軽アイゼン。爪が折れた
4本爪、6本爪を長年使ってきたのですが、珍しく積もった丹沢大山で6本爪の刃が前歯二枚欠けてしまいました。北八ヶ岳の蓼科山に登ることもあり、アイゼン購入となり、あわてて次のアイテムを探しました。
北八ヶ岳蓼科山は雪山入門の位置付けで、冬靴、10-12本爪のアイゼンが好ましいが、夏靴に軽アイゼンでも登山可能という情報もチラホラ。
ここで、今まで使っていたエバニューの6本爪が重かったので、軽い物を探す選択肢と、もう少し爪の数が多いアイゼンにするかと考えました。
ふつう、冬山装備アイゼンは冬靴+専用アイゼン
調べてみるとアイゼンは靴底全体にツメが生える感じで靴と相性がある。更に調べると冬靴5万円にアイゼン3万円など、ちょっと冬山に行ってみたい程度のワタシにはとても買いきれません。
ワタシは夏靴でなんとか登る事に最善を尽くす方針に決定。
エバニューより軽い物を探す前に…
夏靴で使え、安い…しかも軽い…軽すぎ?
ブランド:BRS
型番:BRS-S3
カラー:ブルー、ゴールデンー
材料:7075アルミ合金
仕様:14本爪
重量:480g
サイズ:No.36-46
原産国:中国
14本爪で両足で480g 6000円
普通、爪は10本か12本じゃないの?480gは片足?そして安い…つぎつぎと浮かぶクエスチョン。
値段が安いのは…怪しい…に直結し思いとどまる事もありますが、
重量480g よく見ると両足での重さです。
この数値は一般的主なアイゼン、ペツェル、ブラックダイヤモンド、モンベルの軽量モデルより軽い。軽量をうたわないモデルは900g近くある様ですから、すごく軽い。
スペックにある素材名、7075合金はストックなどでも使用される軽合金。
2023/11/05追記。
商品はAmazonで2016年7月からずっと販売されているらしい。レビューの数も多いので気になる方は見てみてください。
480gはワタシが使っていたエバーニューの6本爪軽アイゼンより軽い。
コレが一般的な冬山登山用のアイゼン。お値段、重さがいかに違うかよくわかる。
G12は、世界中の登山で使用されている「クランポンの王様」で、素材はクロムモリブデン鋼。アルミニウムは使わないわけです…。
軽すぎ、安すぎで少し心配…
登山用品において、安物は命の危険を伴う可能性もあるが、安くて良いものもあるはず。このBRSがそうかもしれない。
チェーンスパイクも携帯。
しかし、信じきれないので、もしものためにチェーンスパイクも同時購入し携帯。爪は8。
もっと多いのもあるが、その分軽い。4本爪のアイゼンよりは歩きやすい。ゴムが切れるという話もあるので靴紐をバックアップ。
使用後に見てみたら安物の為か、早速爪のあたりに錆が出ていたのでCR-Cを噴霧。
いざ!冬山へ
実際、2月の雪をかぶった蓼科山ではチェーンスパイクより確実に雪を捉えて安心して使えました。
夏靴でしたがアイゼンが外れる、緩んだりする事もなく、下山。目立った変形もなし。保険に持ったチェーンスパイクは出番なし。
雪質によっては足裏に雪がべったりとつくかもしれません。100均のまな板などでスノーガードを作っているBRSユーザーが検索上にはたくさんいらっしゃいますので気になる方は検索してみてください。
キチンと冬靴にアイゼンの仲間の反応は
蓼科山登山開始前に、このBRS-3を仲間に見せたら驚きの軽さで怪しいけど本当に使えるなら欲しいと声が上がりました。
彼らの持つアイゼンは冬靴にきちっと合わせた一流メーカー品。それらはしっかりしていますが、手に取ると確かに重い。
ゆえに彼らは駐車場にアイゼンは置いて、冬靴にチェーンスパイクで登ったのでした。
結論!耐久性はソコソコ。軽く、汎用性は高い!
怪しい…という懸念は使う事でしか払拭できない。わたしはBRS-3、軽いし、安いし、夏靴でも外れなかったので、買ってよかったです。
夏靴でも適合したが、夏靴は寒い!
脚が痛くなる寒さ…それ程寒い。そうなると、やはり冬靴なのだなぁと納得もした。夏靴ユーザーは下記のような電熱インソールを装備するのが冬靴を買わないための工夫だと思います。
考察。BRS-S3の耐久性を素材から考えても大丈夫
素材、7075アルミ合金について調べました。金属加工会社さんの説明より
材質の7075アルミ合金は超々ジュラルミンで、硬度は160HB。
一般的なアルミA5052の硬度が65HB。
鋼材のSKD11の硬度は58~63HB
ステンレス材のSUS303・SUS304は187HBです。
硬度はやはりステンレスが高いですが、比重でみるとステンレスが7.93に対し、ジュラルミン、超ジュラルミン、超々ジュラルミンは2.79、2.78、2.80です。
BRS-3のジェラルミン採用は素材としては軽さと強度バッチリ。強度重視の本格モデルはステンレス鋼の硬度を優先して重たくなるのも理解。
7075アルミ合金は超々ジュラルミンで、軽く、硬い零戦にも使われた素材。
硬いが脆いところもあるので腐食とヒビは毎回チェックすべしとのこと。
腐食は毎度水洗いで乾かせばよろしいとのこと。素材の特性を知ってだいぶ安心度が向上。
BRSは構造的には緩むビス止めも使わず、前後の伸縮はバネをうまく使って夏靴の柔らかい靴底でも勝手に動くことはありませんでした。
Brother New BRS-S3 Ultra Light aluminum alloy walking 14 teeth ice claw outdoor snow mountain climbing ice anti-skid shoe cover
BRSホームページを見ると結構魅力的なモノありますねぇ