炊飯。クッカーが変わっても、気温が低くても、標高が高くても失敗は避けたい。炊飯に自信がつくまで、私は山で何回も何回も失敗し、鍋のコゲを苦労して洗いました。
それ故、原因と、対処方法がわかりました。
長年のキャンプなど、屋外の炊飯のコツを小学生でもわかる理論的にまとめました。
まずは失敗しなくなるまで100均使い捨てのアルミ鍋でおうち休日炊飯をおすすめ!
目次
- 自動炊飯 実は大半は失敗? 低温、高度で沸騰温度はバラバラです
- 山での炊飯が難しい理由
- 初めは何度もコゲます⇒クッカーは使わない方がイイ
- アルファ米はいりません
- 百均の使い捨てアルミ鍋の種類
- お米は無洗米が環境保全的にもベスト
- 炊飯に適した水の量は?
- 浸水時間 最低30分 寒いときは長く。
- 火加減のタイミングが全て!繰り返しやってみよう!
- 炊飯失敗 症状の原因、リカバリー法
- まとめ 小さな失敗をおうちでしておくことが一番大事
自動炊飯 実は大半は失敗? 低温、高度で沸騰温度はバラバラです
自動炊飯の動画は多数あるけど、ほとんどが自宅、夏のキャンプ場でしょ?
点火前の水温、米を浸した時間、標高で仕上がりはかなり変わります。
固形燃料も、アルコールストーブも結構やりましたけど、調整が必要でした。
雪山では、沸騰すらしないまま固形燃料が燃え尽きた(笑)。
山での炊飯が難しい理由
①標高 標高が高ければ沸点が下がる。
初めは何度もコゲます⇒クッカーは使わない方がイイ
自宅でコメを炊くといえば普通、電気炊飯器でオマカセですよね。誰だってそうです。
なので、いきなりは難しいと思います。わからな過ぎて自動炊飯が流行る気持ちもわかりますが、アレは山ではハイリスクだと思います。
さて、炊飯に適したクッカーを選び始めるのも良いのですが、炊飯のポイントは鍋が変わっても同じです。
私は今ではどんな鍋でも失敗しませんが、初めは何度もコゲを作って鍋を洗うのがイヤになりました。
クッカーでコゲ作ると、結構大変なんです。トラウマで、クッカーがサトウのごはん湯煎専用!って人は結構いるはず。
なので、百均の使い捨てアルミ鍋でおうちで炊飯練習が一番おすすめです。
メスティンの方には百均のパウンドケーキの型が形がメスティンに重ねて収納できるのでおすすめ。
そこでおすすめなのがコゲても使い捨ての百均で売ってる使い捨てアルミ鍋。
この使い捨てアルミ鍋で、ふつうのお米で火加減のタイミングをマスターし、お気に入りのクッカーへ移行するのが私のおすすめです。
アルファ米はいりません
登山の炊飯というとアルファ米が聞こえてきますが、ふつうのお米で練習したほうが、いつでも、災害時でも炊けますので、
おうちにある無洗米で慣れるのが一番良いと思います。
焦げ付きの原因は熱伝導率 チタンクッカーは最上級者向け
何万円もする高い炊飯器のオカマは分厚く熱が伝わりやすい素材。軽さを追求し、薄い、熱伝導率の低い、チタンクッカーは、一部の焦げ付きを生みやすい。
炊飯が得意といわれるメスティンは熱伝導率が良いアルミ製でフタの気密性が高いので、山用クッカーの中ではおいしく炊ける。しかし、コゲ付きやすい。
百均の使い捨てアルミ鍋の種類
使い捨てアルミ鍋は、炊飯したい量でチョイス。一合には取り皿タイプか、パウンドケーキの型、二合からはコンビニの鍋焼きうどんの鍋みたいな、百均の使い捨てアルミ鍋がおすすめです。
フタはアルミホイルでもいい
クッカーのフタなど、ちょうどいいフタがあれば活用しましょう。なければアルミホイルで大丈夫です。
山での炊飯が難しい理由 2000mで水の沸点は93.8℃
山での炊飯の失敗は高度があるとお湯の沸点が下がり、水温が低ければ、お米の水の吸い方も悪く、その分長く火にかけなければならない点にあります。
耳を澄まして、鼻を効かせ、何となくコノヘンという判断基準をもつ必要があるのです。
メスティンの炊飯については固形燃料、アルコールストーブで有名な自動炊飯を試したこちらのブログ
メスティンに収納できるマグカップ5選ブログあります。よかったらご覧ください。
お米は無洗米が環境保全的にもベスト
おこめ 台所のいつものコメでいいです。ほとんど無洗米でしょう。持ってくるときには一合、二合くらいのビニール袋に小分けにすると便利。
お米のカップで計りましょう。一合180mlです。
お米の計量カップがない方もいるでしょう。そういう方は1合150gで軽量してください。
水は家から持っていくのか、ルート上の水場が確実に使えるのかを確認しておきましょう。
話はそれますが、私はかつて、学生時代の合宿で前夜の悪天候で予定していた水場が消失し、大変苦しんだ思い出があります。炊飯どころではなく地獄です。
一合ってどのくらいの量? 翌朝のおにぎり、お茶漬けも考慮
コンビニのおにぎり3個が一合くらいの目安だそうです。夜ご飯と朝食の分を合わせて炊いてしまうのが効率的。
朝は冷えたゴハンにお湯を入れてひと煮たちさせたお茶漬けが冬場はおススメ。おにぎりが欲しい人はその分多く、塩もお忘れなく。
炊飯に適した水の量は?
無洗米はコメ一合に対して水1カップ200㏄を入れる。山に持っていくコップに200㏄がわかるように印をつけておくと便利。
山で計量カップがない!米も水も計量できない場合
鍋に米を入れ、米を鍋の中で平らに整えて、鍋はしに指を一本入れて中央までたぐるときにできるコメの山が水からちょっと出るくらいの水の量を注ぐと適量と言われている。
ほんとかよ?と疑う気持ちはよくわかりますが、コレ、意外と正解で、↓メスティンの炊飯の水の定位置リベットとほぼ一緒になる。
浸水時間 最低30分 寒いときは長く。
火にかける前のポイントとしては点火前に水分を吸わせるために最低30分は待つ事。
無洗米はホントに砥がず、洗いもせず、水を注ぐだけにしましょう。
砥ぎ汁が環境に与える影響が大きく、その影響は直の焚火の比ではないそうです。
適量の水が入ったら、蓋をする。少しでも蒸気が逃げないようにするほうが芯が残りにくくおいしいです。飯盒の構造をできるだけまねるのがイイです。
私おすすめの100均アルミ鍋に100均鍋蓋の場合、蓋からはみ出る下のアルミ鍋の淵を蓋側に曲げて気密性を高められるとウマいと思う。
火加減のタイミングが全て!繰り返しやってみよう!
序 チョロチョロ弱火ー中火
火加減が重要。伝説的米炊きの歌を知っていますか?(やや年齢が高い方の呪文(笑) はじめチョロチョロ、中パッパ!赤子泣いても蓋とるな が断片的にポイント抑えているが…コレは解説がかなり必要。
初めチョロチョロは弱火。なんですけど、この弱火は気温が高く、30分水に浸してあればカットしてOK。鍋蓋を触って熱くなれば弱火期間は終了とみてOK。
中 パッパ!
中パッパ!は中~強火。本格的に炊きに入る。ぐつぐつ煮えるまで全開。
この時、中は見えないので、鍋の淵に箸などで触れて、振動で沸騰しているかを判断する。
沸騰すると、鍋蓋の隙間から蒸気がかなり出て、炊飯の香りがあたりに充満したら、弱火で。
終盤 この見極めが炊飯の最大のコツ
弱火にしてからいつ火を止めて蒸らしに入るかがキモ。家庭では15分とか決められますが、山は標高も違うし、寒いので決められません。
過熱の必要がなくなるのはお米が完全にお湯を吸い切った後になるので、沸き立つ湯が米に吸収されると湯気が止まり、グツグツが止まる。
鍋の淵でぐつぐつが止まったことを確認しましょう。しかし、コレはちょっとわかりにくい。
わかりやすいもう一つ確認法があります。それはオコゲの香り。
その状態で過熱を続けると焦げるのはお判りでしょう。
蒸らし タオルなどで包んで15分待ちましょう。
焦る気持ちもありますが、フタは取らずに15分待ちましょう。
おかずの調理をするといいです。
ワケは何となくわかると思うのですが、実際にやると気が付かないことも。先日、海の焚火で、メスティンで炊飯した時、フタの上に石を置いたのだが、メスティンの気密+石の重みで湯気が全く出ず、おこげ臭で慌てて火から退避、タオルで蒸らして蒸らして全面焼きおにぎりみたいな炊飯になってしまった(笑)
炊飯失敗 症状の原因、リカバリー法
パターン壱 べしょべしょ系
まだ鍋の中に水分が多く残っている状態。ここでまず、コメに芯が残っているかどうかを確認。残っていれば再び蓋をして弱火で加熱。失敗の原因としては中パッパの火力が弱く、完全沸騰時間が短かったためか、沸騰が続いていたのに中の振動が終わったと勘違いして、早く弱火にしてしまったか。芯が残っていないべしょべしょは水分が多かったのが原因かも。
乱暴な解決策:リゾットに変更。トマト系などの粉末カップスープが保険替わり。ひとつは持っておくことをお勧め。意外というか何気においしいです(笑)
パターン弐 パサパサ系
水分が足らなかったことが原因。コメに芯があったら少量の水を加え、弱火で蒸して調整。お湯があると早い。水分の入れすぎに気を付けて。芯がないパサパサなら、すこし水なり、お湯を振りかけて混ぜ、ひっくりかえして少し置くとなじんでだいぶマシになる。
パターン参 焦がした
おこげをはるかに超えて焦げた場合、焦ってはいけない。お箸、しゃもじでなべ底にゴリゴリのコゲを感じたら、なべ底からコゲをはがさない、混ぜないように上側からそろりそろりと焦げていないご飯を救出し、コゲをクッカーに残すべし。ハッキリとした真っ黒なコゲは混ざると焦げ臭くて悲惨なのです。焦げていない部分が食べられるレベルのコゲ臭かどうか…祈るしかない。
原因は火力強すぎ、過熱しすぎ。コゲ臭が解らなかった?というレベル。真っ黒に焦げ付いた鍋は、そのまま持ち帰り、そのままお酢を入れて煮るべし。ガシガシこすっても無駄ですよー
まとめ 小さな失敗をおうちでしておくことが一番大事
理論的に失敗原因とリカバリーがわかると、ガスでも固形燃料でもなんでも大丈夫な自信が付きます。まずはいつものストーブで練習してください。災害時にも絶対に役立ちます。