登山で温かい食事、お茶は格別です。調理に必要な火はガスボンベ利用が一般的ですが、ボンベとバーナーが重たくて、水筒に熱湯を携帯に切り替えるひとも少なくありません。メスティンと身近な百均固形燃料とパウンドケーキの型を組み合わせて、ウルトラライトでメスティン一箱で燃料、ゴトクも含めて完結するクッカーセットを構築しました。
ガス缶+バーナーを軽くしたい
一般的なOD缶250で満タンで375g(容器150g)、小型のOD缶110で 213g(容器101g)。ガスバーナーは単体100gで軽いほう。一回の食事でガス10gほどの消費と考えると満タンは無駄に重たく、50gほど残ってるとベストと考えるとガス缶は150〜200gが最低の重さと考えられ、バーナーの重さを100gと仮定すると約250〜300gほどが火を使うために必要な最低の重さかなと思います。
↑Amazon一番人気。山でもよく見かけますが、バーナー273g+カセットボンベ満タン355g(容器100g) コストは安いが、かさばる、重いということで買い換える方が多い。
バーナーをとにかく軽く 掟破りの26gバーナー
↑大きな声でおすすめできない世界最軽量25g+OD缶EPIガスの最軽量110パワープラス満タン185gでも210gにしかならないので、アメリカロングトレイラーには愛用者が多いバーナー。これに満足せず、さらに軽い選択肢を作るべく実験です。
メスティンにピッタリと収まる百均パウンドケーキの型S
ノーマルのメスティンにピッタリのがパウンドケーキの型で3つ重なっていて100円。火にかけても空焚きしなければ調理もでき、固形燃料のゴトクとしても使える。2枚を重ねたままメスティンに収納し、固形燃料も同時に収納。しかもたったの7gで安い。固形燃料と合わせても200円。
おまけ メスティンに収納できるマグカップ
さっそく、春先の丹沢で実験です!
実験メニューは春菊チキンラーメン
食事は「軽量」を意識して、チキンラーメンとおにぎり。クッカーシステムは先程のメスティン、パウンドケーキの型、固形燃料のワンセット。四角いハコにクッカー一揃いが入っているとザックに余裕が生まれますね。
西丹沢へ着く前にセブンイレブンに立ち寄り、チキンラーメン、温泉たまごを購入。たまたまトイレに寄った山北の道の駅で旬の春菊が入手できてラッキー。
固形燃料による調理
固形燃料は風に弱いが、一個で20gから30gで炊飯までこなしてくれます。コレを使えるモノとしての確信が持てれば、ガス缶から解放される。
OD缶とヘッドでおよそ500g→固形燃料30g×食事回+ゴトク 余裕を持って100g以下
ガス缶はアウトドア専用のOD缶で最小の110缶は213g、250缶で375g。一回の調理でガスは大体10gほどの消費。二泊三日でも110缶で110gのガスが入っているので、ほとんど減らない。ガスを燃やすにはバーナー部₍ヘッド₎が必要でもあるので、一般的にはガス缶250OD缶375gと100gほどのヘッドで合計500g前後の荷重。
対するは固形燃料。ひとつが30g 予備を含め、固形燃料を3つ持って90g、ゴトク7gで合計100g以下。
固形燃料がしっかり使えれば、食事の回数×30gとゴトクの重さが必要ではあるけど、軽量。結構使える道具になるのではないか?ちなみに、固形燃料はダイソー25g×3でひとパックだったり、30g×3だった事も。20gも存在し、使い勝手は今後の課題。20g×2という使い方もアリ?
テルモスのお湯でチキンラーメンは楽勝
山北の道の駅で買った春菊を簡単に洗って煮えるメスティンチキンラーメンに投入。プロフィットササミブラックペッパーも手でちぎって投入。
固形燃料の火力はというと…たよりない(笑) すこし固形燃料とメスティンの底の距離があるようで、パウンドケーキの型の中で炎が揺らめくんですね。しかし、徐々にではありますけど、ポコポコと沸き、食べ終わるまでずっと付いていましたので、時間的には15分くらい。十分でした。
結論 固形燃料はガスとは異なり、コツがいる
ラーメンの袋麺、コーヒー、湯沸かし程度なら固形燃料で良いが…風が強いと心配は拭えない。調理しなれたバーナー類とは快適さが違うので、メインの火元として主役は任せたくはないが、使えるので、非常用システムとしては良いと思う。コレもまた、あるコースストーブと同じように、数多く使うことで印象が変わるかもしれない。
非常時に、水筒にお湯を持たないことを考えると、固形燃料は3つ、本番ひとつ、湯沸かしひとつ、予備ひとつと考えるのが良さげ。それでも100gなので、軽量コンパクトのメリットは十分。
メスティンユーザーならば、常備して損はない
登山において、非常時の備えは大事です。火を持っていれば暖がとれ、温かいお茶が飲めれば寒い夜にはありがたいでしょう。このセットは十二分に役立つ。
普通にエスビットと専用の固形燃料のペアが高さ調節もできてコンパクトで一般的には良いかもしれんです。固形燃料界では不動のロングセラーエスビット。やはり、デザインが変わらない歴史あるベストセラー商品は優れているからだという証拠だと思うのですね。今は違う事を願うのですが、20年前に買って、固形燃料のイカ臭いニオイがイヤでした。新鮮な空気の山中で、ザックがイカ臭くなるアレは萎えました(笑)
使いやすくはないけど、普通にガスでコンパクトなら世界最軽量25g+OD缶EPIガスの最軽量110パワープラス満タン185gの組み合わせ210gに風防で使うのが、ソコソコの嵐でも湯が沸かせるセットだと結論に至りました。