コロナ以後、山小屋泊の新たな必需品になりつつあります。
モンベル、イスカ、シートゥーサミットのシルクインナーシートと悩まれている方に、
実際に5年以上使用しているシルク製コクーンエクスペディションライナーの使用経験、
私の感想だけでなく、山仲間(女性陣)に実際にエクスペディションライナーを山小屋で見てもらった感想もまとめています。
目次
- コクーン エクスペディションライナーを選んだ理由
- Tシャツより軽い 重量110g 山用シーツ
- +5.3℃の効果があるらしいけど、どのくらいの違い?
- エクスペディションライナーのメリット、デメリット
- COCOONは世界的なインナーシーツのメーカー
- 山用エクスペディションライナーの国内取り扱い2023
- コクーン エクスペディションライナーのサイズ感
- 防寒に効く+5.3℃の根拠
- 実際にコクーンを使ってみて
- コクーンに実際に入ってみてもらった山仲間の感想
- エクスペディションライナーの洗濯方法
コクーン エクスペディションライナーを選んだ理由
モンベルでもイスカでも、シートゥーサミットでもなく、日本では無名のコクーンを選んだのは、実はコクーンが世界的に有名インナーシュラフの専門の老舗で山用が軽い120gだったからです。
私が購入した当時2019年は120gはダントツで軽い存在でした。今ではイスカに130gのシルクシーツレクタがあります。
ラインナップ数が圧倒的。
モンベルは6種、イスカは4種、シートゥーサミット 5種ですが、コクーンのラインナップは登山用を含む19種。
それらはすべて別々の素材で、シルクだけで4種、コットンのみならず、エジプト麺、防虫生地、フリースなどなど。
私が購入したのは2019年。日本ではごく一部のセレクトショップのみでの取り扱いだったため、イギリスから個人輸入しました。
温かさ+5.3℃と明記していた
いつもの寝袋に加えて、このエクスペディションライナー(インナーシーツ)を使うと防寒温度+5.3℃と具体的で、世界的メーカーならばと購入してみました。結果として、わずか120g程の重さで温かく、登山のみならず、非常に気軽に持っていくことができ、マフラーとしても活用しています。
Tシャツより軽い 重量110g 山用シーツ
なに?110g⁈(女性用Sサイズ) ちなみにTシャツ一枚が200g
大きさは缶コーヒーより大きく、小柄なペットボトルくらい。
右がレギュラーサイズSMX-RS2で120g、中央が女性用といわれるSMX-RS1で110g。
収納サイズはほぼ変わりませんね。10gの差はワタシ、両手に持っても差を感じられません。ちなみに更に大きいSMX-RS3がXLサイズになり、130g。
この重さ、サイズならどなたでも、デイバックでも携帯用シーツとして持ち運びしやすいですね。
+5.3℃の効果があるらしいけど、どのくらいの違い?
5.3℃も上がるなら、いつも使う寝袋の快適睡眠適正温度を5℃下げてもイイってこと?
シュラフには夏用~厳冬期用までいろいろ。モンベルのシュラフの温度チャートを見てみる。
モデルは最も多くの登山者が買うであろうシュラフ、定番中の定番、モンベルのアルパインダウンハガー800。アルパインダウンハガー800はモンベルのシュラフ寒さグレード♯0~♯7の中の♯3、快適温度5℃です。
ちなみに、モンベルにも、イスカにも、シートゥーサミットにもどのくらい温かいかという指標はありません。
対応温度領域チャート(yamahackより)。
シルクインナーシーツ保温効果で寝袋ワンクラスアップ
この快適温度5℃にインナーシーツで+5.3℃保温効果が高まるなら、寝袋快適温度5度+インナーで+5.3℃⇒快適温度0.3℃で大丈夫という事?そうなると、♯3がコクーンインナーでひとつ上のクラス♯2と同じということになる…!
重さで比べると
重さで追ってみますと、アルパインダウンハガー800♯3は528g、♯2は712g。♯3にcocoonの山用インナーシーツを足すと528+120g=678g<712g♯2
重さ的にもオトク。買い替えを考えてもオトク。
信じがたいほどの絶大な効果です。100%の効果は期待しすぎでしょうが、かなり効果は期待しての購入です。
夏用、3季用の寝袋と合わせて使うと軽くて安心℃アップ
280gと超ウルトラライト、快適温度13度と寒さには弱い世界最軽量寝袋をポーランドから入手。そんな夏用シュラフに防寒効果のあるインナーシーツと組み合わせで軽いけど温かい睡眠を手に入れたいのです。
エクスペディションライナーのメリット、デメリット
メリット
①5年以上、洗濯を繰り返しても破れない丈夫さ。
②確かに温かい。+5.3℃は伊達ではなく、寒かったら不安というのが120gで解消される心強さ。
③マフラーとしても使える。
デメリット
①伸縮性が少ないため、余裕あるサイズ選びが必要。
②国内ではLサイズしか販売されていない。
③赤い袋の印字がはがれやすい
④ちょっと高めの値段設定
あくまで私が感じたまとめです。皆さんはどうお感じでしょうか。
COCOONは世界的なインナーシーツのメーカー
COCOON コクーン Mummy Liners 100%リップストップシルクはCOCOONが開発したリップストップナイロンを100%シルクに織り込んだ強靭なマミーライナーです。初のエクスペディション仕様のマミーライナーで従来のシルクより倍以上の強度を誇ります。
■サイズ:215×85cm
■重量:120g
■素材:100%リップストップシルク
A&Fホームページより引用
A&Fホームページ には山仲間の言っていた110gが無い。本家COCOONホームページを探すと…ありました。
本家にはSMX-RS1、SMX-RS2、SMX-RS3と3種あり、110gはSMX-RS1とわかる。海外サイトによってはこのSMX-RS1をwomen's modelと販売しているサイトもありました。サイズは200㎝×80㎝。
cocoonのインナーシーツは素材だけで19
cocoon社はインナーシーツのトップメーカー。どんなメーカかなと、ホームページを見ますと、インナーシーツは素材だけで19種。更にマミー型と封筒型、サイズ違いとものすごいラインナップ。世界一というのも納得です。
これだけのラインナップは素材ごとの特性があるからとの事。防虫素材、フリーズ素材などもあり、驚き。シルクだけで4種もある。
矢印が山用です。デザインも美しいものが多く、国内のインナーシーツとは大違い。エジプト綿のインナーシーツは夏場は気持ちよさそうです。プレゼントにも喜ばれそうです。
山用エクスペディションライナーの国内取り扱い2023
コレだけのラインナップがあるのですが、実物を置いてあるお店すら国内にはほとんどないようで、しかたなく私が個人輸入したのは2019年夏。当時、Webで検索をかけたところ、コクーン社のエクスペディションライナーの取り扱いはA&F社とムーンライトギアだけでしたね。
今ではAmazonでも多く見られ、商品が認知されてきたようです。価格はcocoon正規取扱店のA&Fより安く12,000円ぐらいで販売されているようです。
Amazon、楽天で購入するときの注意点
Amazon、楽天で購入する場合、サイズに気を付けてください。コクーンの山用シルクインナーは商品名表示があまり統一されておらず、サイズ表記がない場合も多い。
実は私も仲間の分なども含め、欧州から取り寄せていたのですが、欧州でも品切れしていました。世界的にコロナの関係で需要が高まったのがあるのかもしれません。
コクーン エクスペディションライナーのサイズ感
およそ2週間で到着。ついでにナルゲンのフラスコ、ドイターのウエストポーチ、カラフルなカラトリーも関税のかからない程度に注文。
レギュラーとラージの違いは?SMX-RS1&SMX-RS2 計測
エクスペディションライナーは超軽い!SMX-RS1と SMX-RS2の違いは赤い収納袋COCOONの上の小さな表記size2 size1くらい。
赤い袋の黒い印字はは擦れには弱いらしい。他の方のブログでは剥げていました⇒3年目に私のも禿げました。
ホントかよ?と秤で測りました。ふつうのTシャツは200gだそう。
SMX-RS1は110g、SMX-RS2は120gと袋込みの重さでホームページスペック通りでした。
この軽さが他のインナーシーツと比べて圧倒的。インナーシーツで検索していただくとわかりますが、400gを超えるモノも多いのです。
2019年の海外サイトおすすめランキングでエクスペディションライナーが最軽量イチバンになっていました。
参考 Best Sleeping Bag Liners of 2023 コクーンのリップストップシルクではないシルクシーツが一番になっています。
Silk Economy Lineは日本国内ではまだ売られていないようですが、トレッキンから送料込みで1万円弱で購入可能みたいです。16,666円いかなので、関税もかからず、個人輸入デビューとしてはとてもおすすめです。
日本のCAMPHACKの2023インナーシーツ比較←メジャーなアウトドアサイトのインナーシーツ特集にも出ていますが、なぜか120gの圧倒的な軽さを紹介しない。
SMX-RS1と2を広げてみた。
収納袋が本体と縫い付けられているのでなくさなくていい。それにしても薄い!薄すぎでは??そう思って3年。やや乱暴に出入りしてきたこともありますけど、全く破けません。
リップストップライナーという縫製は伸縮性は余りありませんが、破けないという事は実感としてあります。
ほら、スケスケですよ(笑) でも、サラサラと肌触り良く、息を吹きかけても息が抜ける感じはしない。シルクのスカーフほど柔らかく伸縮性はない。
↑伸縮性と手頃なモンベル。+2℃温かくなる
サラッとしているのでスルリと入ることができました。幅は必要十分。ワタシ、身長170㎝、87㎏、TシャツはXLボディ。
伸縮性はやはりあまりないですが、足元は足を組み替えたりストレスなくできます。縦に長いのでフルに頭からフルフェイスでかぶっても170㎝には余裕。
SMX-RS1とSMX-RS2を重ねて比較
せっかくサイズ違いがあるので、SMX-RS1とSMX-RS2を計測。広げてテキトーに重ねただけではほとんど差がわからないが、端と端を固定してくらべると…
長編側スペック通り約15㎝の差。差がわかりやすいようにタオルをひいています。
幅もスペック通り。長さの違いが一番広いところの位置の違いになっています。身長170くらいで細身の方なら男性でもSMX-RS1でイイかも。
防寒に効く+5.3℃の根拠
Added Temperature加算温度とは?
スリーピングバックを普通に使用した場合と、COCOON®商品をスリーピングバックにライナーとして使用した場合とのスリーピングバッグ内の温度差を表したものです。
例えば、100%シルク素材のCOCCON®商品をライナーとして使用すると、しない場合よりスリーピングバッグ内の温度が5.3℃上がります。
この結果はREIのQuality Assurance Laboraypry(品質保証研究室)のテストで証明されています。
実際にコクーンを使ってみて
9/24紅葉の始まりかけた鹿島槍ヶ岳小屋泊にマイSMX-RS2を初携帯。元より山小屋の毛布が気になるほどの潔癖症ではありませんが、マフラーがわりに携帯。
コクーンに実際に入ってみてもらった山仲間の感想
- こんなに薄いのに温かい。夏用寝袋、秋の紅葉時期は寝袋をどうするか悩むので110gならば欲しい!(A子さん)
- …山小屋の毛布はチクチクするだけでなく、何かかゆくなるし、埃っぽくてイヤ。ちょっと肌が敏感なのでシルクインナーシーツがあれば安心(B姐さん)これは多くの女性が賛同。
- ハイシーズンの山小屋混雑の布団シェア時、知らないオジサンの足が触れるかと思うとゾッとする。コレは精神的にかなり効くし、ムカデとか蟲も入ってこれなそう!(Cお嬢)
- 夏はインナーシーツだけで涼しく寝られそう。また、山頂等、暴風時には首に巻くとかなり違う。マフラー、ビバークなど緊急時に効果的。何より軽いからイイ(K氏)
エクスペディションライナーの洗濯方法
汚れが気になったら洗いましょう。おしゃれ着シルク用の洗剤で、30℃以下でやさしく手洗いです。実際に洗ってポイントまとめました→シルクのインナーシーツの洗い方
ウルトラライト系のレースではこのソルのエスケイプヴィヴィとコクーンで走破するレーサーもいるとか。